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経営ヒント「医療法人の指導に際して都道府県から「うちは○○ではない」と言われた時の対処法」

医療法人の認可申請や届出をしたことがある人は都道府県から「うちは○○ではない」と言われた経験があると思います。
たとえば「うちは法務局ではない」とか「うちは税務署ではない」といった感じです。

前者は都道府県に対して役員変更届を提出する際に、辞任届に実印押印を要請されるケース(東京都)や、重任の場合でも履歴書や就任承諾書が必要とされ、さらに履歴書や就任承諾書に実印押印と印鑑証明書を求められるケース(茨城県。ただし現在は重任の場合は不要)で、都道府県に対して実印押印や印鑑証明書が不要であることを伝えたときに言われることが多いです。
法務局は役員の辞任届は認印で済みますし、重任の場合は原則として役員の実印押印と印鑑証明書は必要ありません。(ただし、理事長は必ず医療法人の実印を押印する必要あり)
法務局でさえ実印押印が不要なのにどうして都道府県に提出する役員変更届に実印押印が必要なのか?と指摘すると、ほぼ100%の確率で「うちは法務局ではない」と言われます。
しかし、法務局に提出する書類のうち実印押印が必要なものには法的根拠がしっかりあります。
商業登記規則で定められており、商業登記規則で実印押印が必要とされる書類以外は認印で大丈夫です。
なお、医療法人は医療法と組合等登記令に従って登記をしますが、組合等登記令第25条で商業登記法の準用が定められています。

後者は私は今までに直接言われたことはありませんが、医療法人の理事長に対する貸付金の利息徴収についてや、役員に対する退職金について都道府県の担当者から言われることが多いと聞いています。
理事長に対する貸付金については、都道府県の担当者から利息を徴収すると貸金業に該当するのでダメと指導された時に税務上は利息を徴収することになっていることを説明した時に「うちは税務署ではない」と言われたそうです。
役員に対する退職金については、退職金が過大だと指導された時に税務調査でも問題にならなかったと説明した時に「うちは税務署ではない」と言われたそうです。
しかし、税務署は国税庁が定めた通達に則って利息の徴収を求めています。
金銭を貸し付けた時の利息についても所得税基本通達36-15に明記されています。
退職金の適正額については通達等には書かれていませんが、税務署は常日頃「一般に公正妥当と認められる金額」について判断しています。

しかし、都道府県は指導に対して一切の法的根拠を示さず、さらに業務として「一般に公正妥当と認められる金額」について判断した経験は全く無いはずです。
ようするにただ自分達が正しいと思い込んで指導しているだけです。
これでは話になりません。行政手続法(条例)という法律を完全に無視しています。
前述したように法務局は実印押印が必要な場合はちゃんと法的根拠がありますし、税務署は貸付金に対する利息徴収について国税庁の通達という根拠を示しています。
それらを無視して「うちは法務局ではない」「うちは税務署ではない」と言い張るのであれば、都道府県は実印押印が必要となる明確な根拠や、利息徴収がダメという明確な根拠を示すべきです。

そたがって、もし都道府県の担当者から「うちは○○ではない」と言われた時は、「○○は日本の国家機関が法的根拠に基づいて××している。それでも都道府県は関係ないと主張するのであれば都道府県が必要と判断する明確な根拠を示すべき」と対応されることをお勧めします。

ちなみに厚生労働省の「医療法人の附帯業務について」という通知には「役職員の金銭等の貸付は、附帯業務ではなく福利厚生として行うこと。この場合、全役職員を対象とした貸付に関する内部規定を設けること。」と書かれており、利息徴収が貸金業になるとは書いていません。
もし本当に都道府県が利息徴収は貸金業だと指導したのであれば、都道府県の指導には何の根拠もなく、ただの思い込みだけで指導していたことになります。

(公開日 令和3年10月27日)

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