経営ヒント「介護施設の新規開業のポイント(デイサービス編)」

今回はデイサービスの新規開業のポイントについて書いてみました。なぜデイサービスを取り上げたかというと、当事務所の顧問先様でも近年デイサービスを開業する所が多い事と、最近当事務所のホームページへアクセスして頂いている検索キーワードに「介護施設」や「デイサービス」等が増えてきているからです。

デイサービスを新規開業する過程で大切なのは開業予定地の選定、提供するサービス内容、スタッフの採用、地域への開業案内(広告)等があげられると思います。ですからこの4つについて説明致します。
1.開業予定地の選定は場所というより、競合施設の調査が大切だと思います。現在競合施設がない地域は無いと言えるほどデイサービスを実施している施設は増えていますが、それら競合施設の実施主体や提供サービスをよく調べて欲しいと思います。社会福祉法人しかデイサービスを提供していない地域であれば、民間企業にもまだまだ進出する余地があると思います。こう書いてしまうと社会福祉法人の関係者には大変失礼ですが、私が見てきた限り、まだまだ社会福祉法人は利用者本位のサービスを提供しているとは言えないと思います。長年にわたり社会福祉法人の職員は措置という福祉の世界で働いてきた為、契約により利用者が施設を選択出来るというサービス事業にはなじめないようです。それ以外にも競合施設の行っている提供サービスが平凡で目新しいものでない場合はチャンスです。そのような地域で新しいサービスを提供すれば、利用者にとっては新鮮に写ります。

2.新しいサービスとは何もすべてをオリジナルで考えなければいけないという訳ではありません。その地域で行われていなくても全国的に見ればすでに行われているサービスはたくさんあるからです。例えば疾病別にプログラム内容を変えるサービスやプールを利用したリハビリ等があります。もちろんこれら以外にオリジナルのサービスを考え提供する事はいいことですが、介護の場合は新しいからいいのではなく、身体機能が回復されるものがいいという事を忘れないようにして下さい。

3.新規開業する場合は、どのようなサービスを提供するのであれスタッフは初めてという場合が多いです。ですから事業所は経験者を多く採用しようと思うようであり、私としても理解は出来ますが、あえて経験よりもやる気のあるスタッフを採用するよう心がける事をお勧めします。経験者としてよく特別養護老人ホーム等の福祉施設で働いていた人を採用する事業所が多いですが、福祉施設経験者はどうしても事務的な事にとらわれて本当に利用者にいいサービスをしようと心がけていると思える人が少ないような気がします。もちろん福祉施設経験者の中にもやる気があり、利用者の為のサービスを心がける人もいますので、このような人であれば積極的に採用すべきだと思います。しかし過去の経験からは有資格者よりも主婦等のパートヘルパーからいい意見が出てくる事が多いような気がします。これらの人は自分の親を介護している事が多く、実体験から物事を言うからではないでしょうか?

4.最後に最も重要と言えるのが地域への開業案内です。つまり広告戦略です。地域住民に対するPRの他に、居宅介護支援事業者に対するPRが重要です。ご存じの通り介護保険はケアマネージャーがケアプランを作成して初めて介護保険が給付されるからです。
地域住民に対しては新聞折込チラシやポスティング等を利用しPRするとともに、案内パンフレットを作成し、地元の老人会や福祉センター等で配るといった工夫が必要だと思いますし、ケアマネージャーに対してもケアマネ向けの案内パンフレットを作成し、各居宅介護支援事業所に配るといった工夫が必要だと思います。
どんなにいいサービスを提供していても利用者やケアマネージャーが知らなければ、いつまでたってもケアプランに組み込んでもらえません。ですからまずはサービスを利用してもらう必要がありますので、無料体験サービス等を利用し、とにかく一度施設に足を運ばせるよう工夫して下さい。

以上、デイサービスの新規開業のポイントについて簡単ではありますが、まとめてみました。もちろん、ここで書いた事は新規事業者でなく既存事業者にもあてはまります。
私としては新規事業者であれ既存事業者であれ、いろいろと創意工夫して、本当に利用者にいいサービスを提供して頂きたいと思います。

(公開日 平成16年12月以前)