質問「特殊疾患療養病棟入院料2の対象患者について」

ご質問の内容は特殊疾患療養病棟2への転床を検討している病院から、その対象患者の範囲を知りたいというものでした。
現在のコンサルタント(税理士?)から身体障害者の1級か2級を持っている患者でなければいけないと言われており、具体的には四肢麻痺か三肢麻痺がある患者だと説明されているそうです。

まず簡単に特殊疾患療養病棟についてご説明します。特殊疾患療養病棟には1と2とあり、1は脊髄損傷等の重度の障害者、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者又は神経難病患者等を主として入院させる病棟であり入院料は1,980点となっています。
これに対して2は重度の肢体不自由児(者)等の重度の障害者を主として入院させる病棟であり入院料は1,600点です。
ご質問は2の方ですので、2の対象患者についてのみ詳しくご説明します。
特殊疾患療養病棟の施設基準については平成16年2月27日付で厚生労働省保険局医療課より出された通知「保医発第0227002号」に定められています。これによると特殊疾患療養病棟2の対象患者は下記のように書かれています。
「当該病棟の入院患者数の概ね8割以上が、重度の肢体不自由児(者)(日常生活自立度のランクB以上に限る。)等の重度の障害者(ただし、(2)に掲げる脊椎損傷等の重度障害者、筋ジストロフィー患者及び神経難病患者を除く。)である。」
※(2)は特殊疾患療養病棟1の対象患者です。

また、同通知に定められている特殊疾患療養病棟の施設基準に係る届出書添付書類(様式35)の中にも「重度肢体不自由児(者)※日常生活自立度のランクB以上」とわざわざ書かれていますので、対象患者はランクB以上と判定される患者となります。
日常生活自立度の判定に当たっては平成3年11月18日付で厚生省(当時)老人保健福祉部より出された通知「老健第102-2号」(障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準)を参照すると同上の添付書類に書かれています。

ランクJ(生活自立) 何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
ランクA(準寝たきり) 屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
ランクB(寝たきり) 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが座位を保つ
ランクC(寝たきり) 1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する

以上の事から判断しますと、あくまでランクB以上であるかどうか判断するのは同基準に従って、病院(医師)が判断するのであって、障害者手帳1級又は2級を持っているかどうかは対象患者の要件では無いと言えます。
また、四肢麻痺か三肢麻痺がどうこうといった話は特殊疾患療養病棟1の対象患者に関する話だと思われます。恐らく現在のコンサルタントは1と2を混同しているのではないでしょうか?

(公開日 平成16年12月以前)


この回答に対して、医事コンサルタントをしている方より特殊疾患療養病棟2の対象患者は身体障害者1,2級で日常生活自立度のランクB以上ではないかというご指摘を頂きました。
しかし、前記しました保医発第0227002号には「重度の肢体不自由児(者)(日常生活自立度のランクB以上に限る。)等の重度の障害者」と書いてあります。ここで重要なのは「等」と書いてある点で、つまり重度の肢体不自由児(者)に限定しておらず、それに準ずる患者であれば良いという事になります。
また、重度の肢体不自由児(者)の定義は「肢体不自由者更生施設等の社会福祉施設等に入所していた患者、または身体障害者福祉法に示される肢体不自由の1,2級に該当するものをいう。なお、身体障害者手帳の交付を受けていることは要件となっていない。」です。(医学通信社発行「2005年版診療報酬Q&A」より)
この定義からも身体障害者手帳の交付は要件ではないと判断できます。
ですから特殊疾患療養病棟2の対象患者は、身体障害者1、2級であるのかで判断するのでなく、重度の障害者なのかで判断すべきと言え、その判断の一つの目安がランクB以上であると考えています。