質問「医療法人の理事長に非医師がなれますか?」

この質問は当事務所の顧問先様より頂いたものですが、案外非医師は理事長になれないと思いこんでいる方が多いようですので、ホームページに公開致します。
理事長に関しては医療法第46条の三において「医療法人の理事のうち一人は、理事長とし(中略)医師又は歯科医師である理事のうちから選出する。ただし、都道府県知事の認可を受けた場合は、医師又は歯科医師でない理事のうちから選出することができる。」と書いてあります。
つまり非医師の者でも理事であれば理事長になる事ができるという事です。実際に当事務所の顧問先様でも非医師の理事が理事長となっている医療法人があります。
しかし都道府県知事の認可を受けなければならず、この認可基準が曖昧でした。厚生労働省がまとめた医療法人の非営利性の確保状況等に関する都道府県等調査の結果を見ても、非医師を理事長と認める認可基準を制定しているのは47都道府県中15都道府県しかない事がわかります。
しかし、平成14年4月から平成15年8月までに非医師の理事長認可件数は73件と決して少なくないことがわかります。(前述の調査結果より)

それに加えて平成17年5月23日に社会保障審議会医療分科会において、複数の都道府県に病院・診療所・介護老人保健施設を開設する医療法人(以下、広域医療法人と書きます)が非医師から理事長を選出する際の認可基準を決めました。それによると下記の4要件のいずれかに該当する広域医療法人であれば認可される事になります。
1.過去5年間にわたって、医療機関としての運営が適正に行われ、かつ、法人としての経営が安定的に行われている
2.理事長候補者が当該法人の理事に3年以上在籍し、かつ、過去3年間にわたって医療機関としての運営が適正に行われ、かつ、法人としての経営が安定的に行われている
3.医師または歯科医師の理事が理事全体の3分の2以下であり、親族関係を有するものなど特殊の関係がある者の合計が理事全体の3分の1以下である医療法人であって、かつ、過去2年間にわたって医療機関の運営が適正に行われていること、及び、法人としての経営が安定的に行われている
4.昭和61年6月27日において、すでに設立されていた医療法人については、次に掲げる要件(ア又はイ)のいずれかに該当する場合
ア.同日において理事長であった者の死亡後に、その理事長の親族で医師・歯科医師でない者が理事長に就任しようとする場合
イ.同日において理事長であった者の退任後に、理事のうち、その理事長の親族であって医師・歯科医師でない者が理事長に就任しようとする場合

上記の認可基準はあくまで広域医療法人が非医師を理事長とする場合の認可基準ですが、この認可基準を各都道府県に通知する際に、広域医療法人以外の医療法人から非医師を理事長とする認可申請があった場合には候補者の略歴などを総合的に勘案し、適正かつ安定的な運営を損なうおそれがない場合に認可する旨が書かれています。
つまり質問に対する回答は「非医師でも条件をクリアすれば医療法人の理事長になれる」となります。

(公開日 平成17年7月19日)