質問「医療法人における本院移転は簡単ですか?」

ご質問は本院と分院を運営している医療法人様から頂きました。本院はS県に、分院は東京都にあるそうですが、本院を東京都に移したいが、その手続きは簡単かというご質問でした。
以下、ご質問に対する回答です。

本院・分院というのはあくまで医療法人側がそう呼んでいるだけで、都道府県に本院・分院と分けてとして申請する訳ではありません。
都道府県には定款第4条として、医療法人で開設する病院、診療所等(以下、医療機関と書きます)の名称と開設場所を申請するだけです。
ですから本院というのは医療法人が勝手に呼んでいる俗称となり、どこの医療機関を本院と呼ぶのかも医療法人が好きに決められます。
ところで、本院を移転したいというのは、恐らく所轄官庁をS県から東京都に移したいという意味だと思います。
では、複数の都道府県に医療機関を開設している医療法人はどこへの都道府県へ認可申請書や医療法人決算届を提出するかというと、定款第2条に定める事務所(以下、主たる事務所と書きます)が所在する都道府県となります。
主たる事務所の移転の手続きは簡単です。主たる事務所の移転は都道府県の認可申請を必要としないからです。(ただし、主たる事務所を違う都道府県に移す場合のみ認可申請が必要です。)
手続きはまず法務局へ本店移転登記を申請し、登記が終わった後に、都道府県へ医療法人登記完了届を提出するだけとなります。
ですから、ご質問の本院を移転するのは簡単か?というご質問の回答は「簡単」となります。

ところで、主たる事務所は定款第4条で定められている医療機関以外の住所でも設置可能です。
たまに複数の医療機関を運営している医療法人に本部または事務局等という住所があったりしますが、本部とか事務局とは主たる事務所の事を指すのが一般的です。
ですから、所轄官庁をS県から東京都へ移す事が目的であれば、本院を移すのではなく、本部又は事務局として主たる事務所を東京都に移すという方法もあります。

(公開日 平成18年5月29日)