質問「平成19年4月以降に開催する社団医療法人の社員総会について」

ご質問は社団医療法人である病院から頂きました。内容は社員が8名いるが病院支配権をめぐり社員が二分されている状態で、5月末に定時社員総会を開く必要があるが、医療法が変わった事に伴い何か注意すべき点はないか?というものでした。

ご存じの通り平成19年4月1日より医療法が改正され、社員総会についても大きな影響があります。
社員総会に関連する主な改正内容は下記の通りです。
1.新医療法第48条の3第3項において「議長は、社員総会において選任する」と定められた。
2.新医療法第48条の3第5項において「社員総会は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の過半数の出席がなければ、その議事を開き、議決することができない」と定められた。
3.新医療法第48条の3第6項において「社員総会の議事は、定款に別段の定めがある場合を除き、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。」と定められた。
4.新医療法第48の3第7項において「前項の場合において、議長は、社員として議決に加わることができない。」と定められた。

以前は理事長が議長になると定款で定められているのが一般的でしたが、今後は理事長が議長とは限りません。
そして、これはとても重要な事ですが、今後、議長は基本的に議決権を行使できません。議長が議決権を行使できるのは可否同数の時のみとなります。(上記4)
今までも議長(理事長)が議決権を行使する事について賛否両論ありましたが、特に定めがありませんでしたので議決に加わっているケースがほとんどでした。しかし、平成19年4月以降は医療法で明確に議長の議決権について定められていますので、ご注意下さい。
また、社員総会開催要件も以前は一般的に定款で社員の2分の1以上と定めていましたが、新医療法で総社員の過半数と定められましたの。ですから社員数が8名の社団医療法人であれば5名出席しなければ社員総会が開催できなくなります。(以前なら4名の出席で開催OK)
なお、社員総会の招集権者は以前と同じく理事長となります。

次に新医療法に定められた上記1~4がいつから適用されるかについてですが、平成20年3月31日までは、医療法人で定款変更の認可申請後に適用されるものと、定款変更に関係なく平成19年4月1日より適用されるものに分かれます。
これは医療法附則第9条第2項に下記のように定められているからです。
「施行日前に設立された医療法人の定款又は寄附行為は、施行日から1年を経過する日(前項の規定により定款又は寄附行為の変更の認可の申請をした医療法人については、当該申請に対する処分があった日)までは、新医療法第6章の規定により定められた定款又は寄附行為とみなす。この場合において、当該定款又は寄附行為と同章の規定が抵触する場合においては、当該抵触する部分については、同章の規定は、適用しない。」
ですから、上記1~2、4の適用は次のようになります。
■平成19年4月より適用されるもの
上記4(議長の議決権は可否同数の時以外なし)
■定款変更の認可申請後に適用されるもの
上記1(議長は社員総会において選任)
上記2(社員総会の開催要件)
なお、平成20年4月1日以降は新医療法の規定が全て適用されます。

以上、平成19年4月以降の社員総会開催の留意点についてまとめましたが、医療法解釈について間違いがあると困りますので、最終的な判断は弁護士に依頼されるようお願いします。

(公開日 平成19年5月30日)