質問「病院の税務調査で必ずお土産(追徴)が出るというのは本当ですか?」

ご質問は病院を運営している医療法人の理事長より頂きました。
ご相談者様の病院に税務調査が入ると顧問税理士から連絡があったが、その際に顧問税理士より「病院の会計は複雑なので、どこの病院でも税務調査が入ったならばお土産として200~300万円は支払うことになるので、この事は承知しておくように」という趣旨の事を言われたが、これは本当ですか?という内容でした。

税務調査の際によくお土産という隠語が使われますが、これは税務調査官から指摘されたものを修正申告することで税金を追加納付することを指します。
病院の税務調査以外でも、よく税務調査には必ずお土産が必要かと聞かれますが、決してそのような事実はありません。
きちんとした会計処理が行われ、領収書等の保存状態もよければ、何事もなく税務調査が終わることはよくあります。
これは病院の税務調査についても同様です。
例えば当事務所の顧問先の病院に対して行われた税務調査の例を紹介します。
大病院の為、税務署ではなく国税局による税務調査が行われたA病院では、国税局ですので一週間みっちりと実地調査が行われましたが、その結果、修正申告の対象となったのは僅かな棚卸資産計上漏れ等だけでした。
しかも、国税局側がさらに調査を続行すると言うのを「一週間も実地調査を行っても何ら問題がない納税者に対して必要以上の調査は失礼である」と当事務所から申し立てをし、国税局もそれを受け入れ調査が終了しています。
また、別の病院の税務調査でも(こちらは税務署による調査ですが)ほとんど問題がなく、3日間の予定を2日間に短縮して調査が終了しました。
つまり、病院の税務調査といえども他の会社と同じで、会計処理がきちんとされていれば、お土産は必要ありません。
ご相談者様の顧問税理士が何を基準に必ず200~300万円のお土産が出ると言ったのかわかりませんが、そのように予め言うことで税理士の責任を逃れる意図があったのではないかと邪推したくなります。
税務調査による修正申告のうち税理士の会計処理ミスによるものは結構あります。ですから税務調査をきっかけに税理士を変えるということも多々あります。
そのような批判を避けたいが為に、予めご相談者様に対してお土産は必ず出るものだと思いこませようとしたのではないでしょうか?

(公開日 平成20年5月29日)