質問「眼科クリニックでコンタクトを販売できますか?」

ご質問は医療法人による眼科クリニックを開設している先生から頂いたもので、患者の利便性を考えてクリニックでコンタクトを販売したいが法的に問題ないかという内容でした。

コンタクトレンズは高度管理医療機器に該当しますので、薬事法の規定により所轄の都道府県から高度管理医療機器等販売業の許可をもらう必要があります。
許可基準は次の要件となっています。
1.採光、照明及び換気が適切であり、かつ、清潔であること。
2.常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
3.取扱品目を衛生的に、かつ、安全に貯蔵するために必要な設備を有すること。
4.営業所に営業管理者を設置すること。
医師や歯科医師は営業管理者となれますので、許可申請をすれば間違いなく認められますが、2つの問題があります。

まず、高度管理医療機器等販売業を行う営業所をどこにするかです。
許可は営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県が与えるとなっており、営業所を指定する必要があります。
クリニック内でコンタクトを販売するのであれば、クリニックを営業所として指定することになりますが、クリニック開設にあたり所轄保健所に各室の用途・面積等を記載した診療所の平面図を提出しているはずです。
保健所は診療所の構造設備基準として「他の施設と機能的かつ物理的に明確に区画されていること」と定めており、居宅や事務所が併設される場合は出入口が別々にある等明確に区画されていることが必要とされています。
ですから、診療所の一部をコンタクト販売の営業所として使用していることが発覚すると保健所から指導を受けることになります。
医療法第23条で診療所の構造設備について必要な基準を厚生労働省令で定めるとしており、その厚生労働省令に違反した場合は医療法第24条の規定により「その全部若しくは一部の使用を制限し、若しくは禁止し、又は期限を定めて、修繕若しくは改築を命ずることができる。」からです。
厚生労働省令(医療法施行規則第十六条)には診療所の施設は専有スペースでなければならないとは書かれていませんが、コンタクト販売の営業所との施設の共用は認められないと思います。
したがって、コンタクト販売の営業所は診療所とは別の出入口を設け、スペースも診療所のスペースとは明確に区画される必要があります。

ただし、例外がひとつだけあります。それは院内売店がある場合です。
当初から保健所に提出した平面図に売店の記載があるか、開設後に売店があるとして診療所開設届出事項の一部変更届を出しているのであれば、その売店をコンタクト販売の営業所として指定することができます。院内売店で牛乳を売る場合には乳類販売業の営業許可を保健所に提出するのと同じ理屈です。

次の問題は医療法人でコンタクトの販売を行えるかです。
医療法人は医療法で附帯業務が制限されていますが、病院等の施設内で当該病院等に入院若しくは通院する患者及びその家族を対象として行われる業務は附随業務として認められており、具体的には病院等の建物内で行われる売店や敷地内で行われる駐車場業等が挙げられます。
院内売店がについては医療法人であっても認められていますが、コンタクト販売の営業所を診療所の建物外に併設している場合は附随業務として認められる範囲を超えていると思われます。
したがって、併設する営業所でコンタクト販売する場合は、医療法人での販売は出来ないと解釈できますので、コンタクトの販売はMS法人で行うことをお勧めします。

(公開日 平成21年3月12日)