質問「自費診療を行うにあたり必ず同意書をもらう必要はありますか?」

質問はインプラント治療を行っている歯科医院の先生から頂きました。
まず、同意書の必要性について法令ではどうなっているか説明いたします。
歯科医師法(医師法)には、診察時に療養方法等について必要な事項の指導を行ったり、診療録(カルテ)への記載を義務付けていますが、患者の同意が必要とは書かれていません。
また、療養担当規則にも「保険外併用療養費を行う場合には、あらかじめ患者に対しその内容及び費用に関して説明を行い、その同意を得なければならない。」と書かれていますが、文書による同意が必要とは書かれていません。
つまり、法令には同意書が必要という規定はどこにもありません。

法令では前述したとおりですが、通達には同意書が必要と明記されているものがあります。
それは「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」という通達です。
この通達は社会保険医療とは別に提供されるサービス等の取り扱いについて書かれたものですが、この中に下記のような文書があります。

『患者からの費用徴収が必要となる場合には、患者に対し、徴収に係るサービスの内容や料金等について明確かつ懇切に説明し、同意を確認の上徴収すること。この同意の確認は、徴収に係るサービスの内容及び料金を明示した文書に患者側の署名を受けることにより行うものであること。ただし、この同意書による確認は、費用徴収の必要が生じるごとに逐次行う必要はなく、入院に係る説明等の際に具体的な内容及び料金を明示した同意書により包括的に確認する方法で差し支えないこと。なお、このような場合でも、以後別途費用徴収する事項が生じたときは、その都度、同意書により確認すること。 また、徴収する費用については、社会的にみて妥当適切なものとすること。』

問題は自費診療が療養の給付と直接関係ないサービス等に含まれるかという点ですが、療養の給付とは社会保険医療で受けられる治療だと解釈すると、療養(社会保険医療)の給付が受けられないインプラント治療は含まれることになります。
さらに、通達で同意書が必要と書かれている上記『 』内の文章は「療養の給付と直接関係ないサービス等の費用徴収」について書かれているのではなく、「患者から費用徴収が必要となる場合」について書かれています。
治療費は費用ではないという反論もあると思いますが、通達には患者から徴収する費用の例として「新薬、新医療機器、先進医療等に係る費用」や「美容形成(しみとり等)」などが挙げられています。
ですから、インプラント治療も患者側の署名が入った同意書をもらうべきだと思います。

もっとも法令や通達でどう決めているかに関係なく、インフォームドコンセント的にも患者との後々のトラブルを避ける為にも同意書を作成し、患者側の署名をもらっておくべきだと思います。

(公開日 平成22年4月13日)