経営ヒント「職員満足度調査の実施について」

よく患者数が伸び悩んでいる又は減少傾向にある病院から、患者満足度調査をしたいがどうすれば良いかというご質問を頂きます。
患者満足度調査をする事で患者のニーズをつかむことができ、その改善策を考える事で患者サービスの向上が図れ、その結果として増患が見込めると考えるのは間違いではないと思います。
しかし改善策を実際に実行するのは職員です。その職員が現在の職場に不満をもっており「なあなあ」に仕事をしていたら、ちゃんと患者に対してサービスが行き届くでしょうか?
ですから私では患者満足度調査と職員満足度調査は一緒にすべきだと考えています。

もう少し詳しくご説明しますと、患者満足度調査により、何が原因で患者数がなかなか伸びないのか又は減少しているのかがわかったとします。
その原因として、職員の接遇態度が悪いとか、診察内容に対して十分な説明が無いとか、いろいろと相談できる雰囲気が無いとか、医療費についての説明がされていない等があると思います。
では何故、職員がそのような態度で患者と接しているのでしょう?
一つは、経営者の教育不足が言えると思います。そしてもう一つは職員の「やる気」の問題です。
現在の職場に対して不満があり、転職を考えていたり、毎日早く終わることばかり考えている「やる気」の無い職員に、いくら経営者が口酸っぱく教えても覚えるはずがありません。
しかし職員が「やる気」が無いのにも理由があるはずです。
その多くが給料に対する不満ではなく、上司に対する不満、仕事に対する正当な評価がされていない事に対する不満、経営者が一定の人だけをえこひいきする事に対する不満であったりします。
上司に対する不満は、能力に関係がなく、ただ勤続年数が長いとか経営者の親戚だという理由で役職についており、悪い言い方をすればその人達が虎の威を借りる狐みたいに得張っている時に多いようです。
仕事に対する正当な評価がされていない事に対する不満は、一所懸命仕事している人が、怠けている人とか、上司の前でだけ仕事するような人と、同じ給料や同じ役職の場合に多いようです。
えこひいきについてはわざわざ説明するまで無いと思います。

問題なのは、上記のような理由から「やる気」のない職員に対して、「患者満足度調査をした結果患者が増えないのは、接遇が悪い、チームワークが出来ていない、上司の指示通りに動いていないからだとわかった。だからそれを改善しろ。」と言っても、その通りにしてくれるかという事です。
よく患者満足度の調査結果が職員の意識改革につながると言う人がいますが、果たしてそうでしょうか。職員の意識改革は職場の環境改善があって初めて実現されるものではないかと私は考えています。
そして職場の環境改善の為には、職員満足度調査が不可欠と考えられます。
職員の多くは今行っている業務が変わることを嫌います。しかし患者満足度調査による改善策は少なからず今での業務の流れを変えますので、場合によっては職員の強い反発も予想されます。
経営者の立場で考えれば、患者数が伸び悩んでいる又は減少している現状を考えれば改善策を実施するのは当たり前でしょうが、職員の方ではその必要性がわからない人が多いという事も理解し、職場の環境改善を約束する変わりに改善策を実行する等の懐柔策をとり、職員の「やる気」をうまく引き出すのも必要ではないでしょうか。

(公開日 平成16年12月以前)