質問「医療法人の附帯業務の一部を委託することはできますか?」

ご質問は附帯業務を行っている医療法人から頂きました。
厚生労働省の医療法人・医業経営のホームページ
(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/igyou/index.html)に医療法人の業務範囲というファイルがあり、そのファイルの「Ⅱ 附帯業務」に「附帯業務を委託すること、又は本来業務を行わず、附帯業務のみを行うことは医療法人の運営として不適当であること。」と書かれているので、附帯業務の一部でも委託すると医療法違反になるのか?という内容でした。

ご指摘の文章は「医療法人の業務範囲について」という平成19年3月30日に出された医政発第0330053号という通達をもとに書かれています。
ここで確認しておきたいのは「附帯業務を委託することが不適当」だと書かれた法令は存在せず、あくまで通達にのみ書かれている点です。

これに対して下記の事は医療法に明記されてます。
医療法第15条の2 病院、診療所又は助産所の業務の委託について
医療法第42条 附帯業務の全部又は一部を行うことができる。

何が言いたいかというと、医療法人の本業である病院、診療所又は助産所の業務委託は法令で認められているという点と、医療法という同じ法律に附帯業務と業務委託に関する条文があるという点です。
常識的に考えて本業の委託が認められているのに附帯業務の委託が認められないというのはあり得ませんし、医療法で認められている業務委託が同じ医療法で認められている附帯業務には適用されないというのもあり得ません。
また、法令で認められている委託業務を、厚生労働省の職員が一方的に出した通達で否定することもできないはずです。
通達が法令より優先されるのであれば国会は必要ありません。

もし、附帯業務の委託が全て認められないとなると、例えば附帯業務で有料老人ホームを運営している医療法人は給食、清掃、洗濯等の業務を全て自前で行わなければなりません。
しかし、私の知っている限りでは有料老人ホームの多くは給食業務や洗濯業務は外部に委託しています。

つまり、「医療法人の業務範囲について」に「附帯業務を委託することが不適当」と書かれている意味は、附帯業務を丸投げで委託することが不適当と解釈するのが妥当ではないかと私は考えています。
なお、これは厚生労働省に直接確認をした訳ではなく、あくまで私個人の解釈ですので、どうしても気になる方は厚生労働省に直接お問い合わせ下さい。


(公開日 平成25年7月29日)