質問「サプリメントのポスターと実物展示は同一の空間(部屋)はダメなのか?」

サプリメントを扱っているクリニックがサプリメント会社の営業担当から「先日の薬機法(医薬品医療機器等法)の改正で、待合室にサプリメントのポスターを貼り、同じ空間(部屋)にサプリメントを展示をしてはいけないことになっている」と指摘されたそうです。
また、その営業担当は他の空間、たとえば診察室にポスターを貼り、待合室に展示すればOKだと言ったそうです。

これらの指摘が正しいのか?というご質問をクリニックの関係者から頂きました。

まず、先日の薬機法(医薬品医療機器等法)の改正が何を指しているのか私にはわかりません。
旧薬事法は平成26年に既に改正されているので先日ではありませんし、現在の薬機法(医薬品医療機器等法)にサプリメントの販売を禁止する条項はありません。
強いて挙げるとすれば「医薬品等適正広告基準の改正について」(平成29年9月29日通知)だと思われます。
この基準は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。) の広告が虚偽、誇大にわたらないようにするとともにその適正を図ることを目的としています。
そして「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」(平成29年9月29日通知)の中に、医療用医薬品等の広告の制限として下記のように書かれています。
医師若しくは歯科医師が自ら使用し、又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用することを目的として供給される医薬品及び再生医療等製品については、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告を行ってはならない。

「医薬関係者以外の一般人を対象とする広告」とは、以下のものを除く広告をいう。
①医事又は薬事に関する記事を掲載する医薬関係者向けの新聞又は雑誌による場合
②MRによる説明、ダイレクトメール、若しくは文献及び説明書等の印刷物(カレンダー、ポスター等医薬関係者以外の者の目につくおそれの多いものを除く。)による場合
③主として医薬関係者が参集する学会、後援会、説明会等による場合
④その他主として医薬関係者を対象として行う場合

つまり、医薬品及び再生医療等製品については、医薬関係者以外の者の目につくおそれの多いポスター等は、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告であり、行ってはならないとされています。

しかし、サプリメントは医薬品ではありません。
「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(昭和46年に最初に通知されたので通称46通知と言われているもの)で、サプリメントは医薬品とみなすとされていますが、これは「無承認無許可医薬品の監視指導について」という通知に「基準により医薬品の範囲に属する物を食品として製造販売する業者に対しては、薬事法及びその他の関連法令に基づき、告発等の厳重な措置を講じられたいこと。」と書かれているように、製造販売(輸入を含む)に対する指導取締りについて書かれたものであり、既に国内に流通しているサプリメントを規制するものではありません。

さらに、平成26年には「医療機関におけるコンタクトレンズ等の医療機器やサプリメント等の食品の販売について」という通知が出ていますし、平成27年には「保険医療機関におけるコンタクトレンズ等の医療機器やサプリメント等の食品の販売について」という通知で、患者のために療養の向上を目的として行われる販売(これを交付といいます)を認め、交付の要件も定めています。

医薬品及び再生医療等製品は、処方せん若しくは指示によって使用します。
しかし、前述したようにサプリメントは処方せんには記載されませんし、医療機関から処方されることもありません。
サプリメントは患者自らの意思で購入を希望し、医療機関が交付するものです。

以上のことから、サプリメントのポスターを貼ることがダメという指摘は全く根拠がないと思われます。
なお、他の空間であればOKという指摘の根拠?はいくら探しても私は見つけられませんでした。
医療業界には根拠の無い都市伝説的なうわさ話の類が本当に多いので、くれぐれも情報の真偽を確認するようにして下さい。

(公開日 平成30年6月7日)