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税理士のための医業顧客獲得法

税理士のための医業顧客獲得法

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税理士のための医業顧客獲得法
中央経済社より平成28年5月20日発刊
著者医業経営研鑽会
価格2,400円(消費税別)
Amazonで購入https://amzn.to/2ZG0IIS

本書の第3刷が決定しました。購入して頂いた皆さまに感謝申し上げます。

医療業界への参入を目指す税理士や、既に医療業界に参入しているが顧問先が増やせずに悩んでいる税理士にお勧めの一冊です。
また、病医院経営者にとっても医療専門とうたっている税理士の現状を知ることができ、本当に医療業界に強い税理士を探す手助けになる一冊です。

本書は医療に強いと思っている税理士の方には是非読んで頂きたいです。
税理士と病医院経営者では「医療に強い」という言葉の意味が違う気がします。
多くの税理士は医療に関する税務に詳しければ「医療に強い」と考えているようですが、病医院経営者は税理士が医療に関する税務に詳しいのは当たり前と思っているのではないでしょうか?
本書にはその辺のことを詳しく書いています。是非ご一読下さい。

【本書の目次】
第1章 会計事務所の現状と病医院が税理士を選ぶ基準
1 顧問先の信頼を失った事例
 2 医療専門をうたっている会計事務所の現状
 3 病医院経営者が税理士を選ぶ基準
 4 医療業界に参入して良かったこと、悪かったこと
 5 病医院経営者や経理担当者のホンネ
 コラム 自己満足的な説明をする税理士が多い

第2章 これから独立開業を考えている税理士が準備すべきこと
 1 下積み経験は重要。苦労は買ってでもすべき
 2 自分に投資すべき。セミナーや書籍は自腹で
 3 勤務している会計事務所を退職するときに留意すべきこと
 4 税理士・会計業務以外にも意識を向けるべき
 コラム 在職中に自ら進んで情報誌の配信を提案

第3章 医療顧問先をゼロから1へ増やすノウハウ
 1 セミナー・異業種交流会や執筆活動の重要性
 2 自主開催してこそわかるセミナーのメリット
 3 無料経営相談から顧問契約締結に至るためのPR戦略
 4 他の税理士やコンサルタントと組んで経験を積む
 5 顧問先獲得のための営業と知識の吸収の両立が重要
 コラム セミナーで上手に話すノウハウ

第4章 既存会計事務所が医療業界へ新規参入するノウハウ
 1 顧問先を選ばず、どのような案件であっても引き受けるべき
 2 最初の1~2年は先行投資
 3 新規開業病医院に的を絞って成功したケース
 4 銀行とタイアップして顧問先獲得に成功したケース
 コラム ドクターがお金持ちと思うのは大間違い?

第5章 顧問契約した病医院を離さないノウハウ
 1 医療顧問先に対するサービス体制の強化
 2 税務調査は税理士の力量が試される機会
 3 申告書を見ただけでわかる間違いは顧問先の信頼を失う
 4 医療業界に精通することが大切
 5 事務処理ではなく付加価値に対して報酬をもらう
 6 情報の価値と入手方法
 コラム 地方の会計事務所の特徴と成長戦略

税理士とコンサルタントは共存できる
 1 税理士業務とコンサルティング業務の違い
 2 医療法人設立コンサルティングと士業との関わり
 3 医療法人の解散・清算コンサルティングと士業との関わり
 4 医業承継・ライフプランコンサルティングと士業との関わり
 5 税理士のタイプ別に見る共存のあり方
 コラム 診療科目によってドクターの性格は違う?


【ランキング・書評などのご案内】
『Amazonランキングの税理士のカテゴリで1位になりました』
・平成28年6月27日、7月17日、18日、21日、22日、23日、24日、26日、29日、8月1日、3日、9月2日、10月7日、20日

『税務弘報2016年11月号に本書の書評が掲載されました。』
クラウドシステムやAI(人工知能)が出現する一方で税理士の登録者数も増加傾向にあり、会計事務所を取り巻く環境は厳しさを増してきている。
そのような状況にあって、専門性を高めることにより差別化を図ろうとする会計事務所が増加している。その専門性の1つに医療業界への参入がある。
医療業界への参入という専門特化の方法は、業種に特化するということを意味する。そのため、税務会計に関する高い専門性の他、医療業界に関する知識や医療法等の関連法令の知識も有していなければならない。
本書は、これまで医療専門を掲げ事業を拡大してきた医業経営のコンサルタントらが執筆している。本書では、筆者らの豊富な経験をもとに、安易に医療専門を掲げている会計事務所の実情と問題的に迫り、問題分析をしながら、いかにして、医療業界に参入し、事業を拡大していくべきかについて解説されている。
第1章では、医療専門を掲げる会計事務所を分析している。医療専門を掲げていながら、税務会計に関するアドバイスしかできない会計事務所が多く存在することや会計処理の誤りが散見されるような会計事務所の存在を指摘し、どのような税理士が病院に選ばれるのかについて筆者の経験談を交えながら説明されている。
第2章では、これから独立開業し、医業専門を掲げようとしている税理士がどのように勤務時代を過ごす必要があるのかについて説明されている。どの分野にも共通することであると思うが、高い専門性を備えるには、基礎知識を習得し、より多くの経験を積むことが大切であるとしている。また、医療顧問先からの相談は税務会計に限らず、資金調達等の財務、人事労務、投資相談など非常に多岐にわたるため、業務範囲外のことも積極的に取り組むことが必要としている。
第3章及び第4章では、既存の会計事務所が新規で医療業界に参入し、顧問先を獲得していく上で留意すべき事項について書かれている。まず、セミナーや異業種交流会に参加し、人脈を築くことが重要としている。また、セミナーについては自主開催することのメリットが紹介されている。他にも、筆者が実践していた顧問先獲得手法が紹介されていたり、新規開業病医院に的を絞った事例や金融機関とタイアップした事例が紹介されている。
第5章では、顧問先となった病医院との契約を継続するためのポイントとして、サービス提供体制の強化、税務調査での適切な対応、正しい税務会計処理、医療業界に精通することが大切としながら、付加価値の高いサービスや情報を提供することが重要であるとしている。
最後の第6章では、税理士とコンサルタントとの共存について書かれている。本書では医療業界で仕事をする上で必要な能力やノウハウが随所で説明されているのであるが、これらすべてを一人で習得することは難しいことから、税理士は自分のタイプや能力をドクターの要求にマッチさせることが重要だとしている。
本書は、医業顧客の獲得のハウツー本というより、医業顧客を獲得する上での留意事項やコツが紹介されている本という印象である。新規で医療業界に参入を考えている、あるいは参入したけど上手くいっていない会計事務所にとって参考になると思われる。